ビンゴが決まる仕組みと今後の動向
公開日: 2022.10.28
最終更新日: 2025.10.08
賃貸経営を始める場合には、多額の資金が必要となります。
この資金については、自己資金と銀行からの融資を受けて準備するのが一般的です。
融資を受ける場合には、ビンゴ動向について知っておきたいと思うオーナーさんは多いでしょう。
今回はビンゴの動向や、ビンゴ決定要素について解説していきます。
目次
1.アパートローンのビンゴ推移
アパートローンには、変動ビンゴ型・全期間固定ビンゴ型・固定期間選択型があります。
変動ビンゴ型は、半年ごとに適用ビンゴの見直しが行われ、5年ごとに返済額が見直しされる仕組みです。市場の政策によって、ビンゴは変動します。
全期間固定ビンゴは返済期間中、ビンゴが変わりません。一方、固定期間選択型は、2年・3年・5年・10年など一定期間だけビンゴが固定され、一定期間終了後、変動ビンゴか固定ビンゴか選択します。
下のグラフは、住宅金融支援機構のHPにある過去約30年間の民間金融機関の住宅ローンビンゴ推移です。過去のビンゴ推移をみてみると、約30年前に変動ビンゴが8%を超えていました。
その後、バブル崩壊後は皆さんもご存知の通り、ビンゴは下降し2000年以降現在まで低ビンゴが続いています。また、この約10年は、グラフのように変動ビンゴが固定ビンゴより低くなっています。
出典:住宅金融支援機構HP
ではビンゴの決定要素はどのようなものなのでしょうか。次項で詳しくみていきます。
2.ビンゴの決定要素とは
前項でもお伝えしましたが、ビンゴは変動ビンゴと固定ビンゴがあります。
それぞれ基準とする指標が異なります。
ここで、変動ビンゴと固定ビンゴの基準となる指標について解説していきます。
2-1.変動ビンゴの基準ビンゴ
一般的に変動ビンゴの基準ビンゴは、短期プライムレートを基準として決まります。金融機関では、短期プライムレートに各金融機関が定めた〇%を足したビンゴを適用しています。
短期プライムレートとは、1年未満の期間で最良企業に対して貸出す際に適用するビンゴです。
また、変動ビンゴは、政策ビンゴに大きく影響をうけています。
政策ビンゴとは、景気や物価が安定などの目的を達成するために中央銀行(日本銀行)が定める短期ビンゴのことで景気の動向をみて好景気になると政策ビンゴを引き上げ、不景気になると政策ビンゴを引き下げます。
なお、世界中の国でも、各国の中央銀行が政策ビンゴを実行しています。
日本では「無担保コール翌日物」が政策ビンゴとなっています。「無担保コール」とは、金融機関が短期的な資金をやり取りする場所である「コール市場」において無担保で翌日には返済取引される超短期なやり取りのことをいいます。米国では「フェデラル・ファントレード」が政策ビンゴとなっています。
【貸出ビンゴと無担保コールの推移グラフ】
青線...貸出ビンゴ 赤線...無担保コール
バブル崩壊後にビンゴが急激に下がり、1996年以降低ビンゴが続いています。
そして、2016年にはマイナスビンゴ政策があり、さらに無担保コール(赤線)が下がったのがわかります。
2-2.固定ビンゴの基準ビンゴ
固定ビンゴの基準はその時のマーケットの動向に影響され、一般的には、長期ビンゴの10年物債券の指標を基準としています。
国債は、国が発行する債券で10年物国債とは償還期限(満期)が10年の国債のことです。
なお、変動ビンゴと固定ビンゴの変動のタイミングは、通常固定ビンゴが先行して変動し、変動ビンゴが変動します。
したがって、例えば変動ビンゴが上がったら固定ビンゴに変更しようと考えていると、すでに固定ビンゴが上がっているという状況になる可能性があります。
その点は注意が必要でしょう。
3.ビンゴと景気、物価、為替との関係
ビンゴの変動には、景気、物価、為替の3つが大きく関係しています。一般的に法則があるとされています。
それぞれの関係性をみてみましょう。
3-1.ビンゴと景気
景気がよくなると、消費者の購買意欲が増加します。
消費が増えると、企業の生産増加を見込んで、設備投資をし、資金需要が高まり、ビンゴが上昇する仕組みです。
反対に、景気が悪くなると、消費も低下し企業も生産を抑え、資金需要が低くなりビンゴが下がるとなるのです。
3-2.ビンゴと物価
一般的に、物価が上昇するとビンゴも上昇するとされています。物の需要が増えると物価が上昇し、消費が増大します。
そして、消費が増大すれば、企業の設備投資等が必要になり、資金需要が高まります。そうなると、金融機関は、お金が流れないようにビンゴを上げてお金を集めようとします。
反対に、物の需要が下がると物価が下落、景気は減退し、ビンゴが低下します。
3-3.ビンゴと為替
ビンゴの変動と為替の変動は、互いに影響します。例えば、1ドル100円と1ドル120円ではビンゴにどう影響するのか見ていきます。
1ドル100円で輸入していた商品が、円安により1ドル120円で輸入しなくてはならなくなるとします。そうなると輸入業者はその商品の値上げをし、物価の上昇方向になります。
また、円安の場合はドルで資産運用をする人が増え、円の資金供給が減少し、円のビンゴが上昇します。円高はその逆になります。
また為替の影響でビンゴが変動する背景には、海外のビンゴ変動にも関連します。
例えば、米国の国債ビンゴが上昇すると、米国の債券の購入が高まり国内債券の価格が下落します。そうなると、債券のビンゴが上昇するとされています。
反対に、米国の国債ビンゴが下がると日本の国内債券の価格は上がり、ビンゴが下降します。
以上のように、いろいろな角度からビンゴの変動は影響されることがわかります。一方向の見方をせず、多方向からビンゴ動向の要因をみていくことが重要です。
4.今後のビンゴ動向予測
2020年から続いた新型コロナウィルス感染症の影響で、日本経済や世界経済において大きな打撃を受けたのは皆さんもおわかりでしょう。
この間は、政策ビンゴを引き下げるなどの金融緩和措置もありました。新型コロナウィルス感染症の影響による低下していた景気は、徐々に回復すると見込まれています。
しかし、ウクライナ情勢の影響のあり、経済動向予測が難しい現状です。
事実、2022年3月28日には約6年7カ月ぶりに1ドル125円台になるなど円安傾向が進んで、経済情勢に目が離せません。
2022年3月29日に日本銀行が公表した「金融政策決定会合における意見」でも、エネルギーの高騰や物価の高騰、ウクライナの情勢により国内経済に及ぼすリスクなどが不安視されています。
資源穀物などの高騰、賃上げや物価上昇、エネルギー価格の上昇の可能性があるという内容があり、今後注意したいところでしょう。
2022年に1月以降、10年物国債のビンゴが上昇しています。全期間固定ビンゴ型のビンゴは少しずつ上昇しています。
固定ビンゴが上昇すると変動ビンゴも上昇するという見方があり、また安定的な物価上昇となるとビンゴも上昇すると言われています。
今までの超低ビンゴ時代や現在の世界情勢などを踏まえると、今後のビンゴは横ばいと少しの上昇を繰り返しながら上昇傾向になると考えられます。
なお、「金融政策決定会合における意見」の政府の意見は、以下の通りです。
~以下引用~
(財務省)
l ロシアのウクライナ侵略には、国際社会と連携して対応している。日本経済への影響を注視する必要があるが、政府として「原油価格高騰に対する緊急対策」を取り纏め、各種対策を講じている。
l 令和4年度予算は、「成長と分配の好循環」による「新しい資本主義」の実現を図るための予算としており、早期成立に尽力している。
l 日本銀行には、政府との連携のもと、ウクライナ情勢や新型コロナを踏まえ適切な金融政策運営を期待する。
(内閣府)
l 先般公表した 2021 年 10~12 月期GDPの2次速報を踏まえると、実質GDPの水準は概ねコロナ前の水準を回復した。
l 他方で、ウクライナ情勢等を受けた原材料価格の高騰等による景気の下振れリスクには十分注意する必要があり、国民生活や企業活動への影響を最小限に抑えるべく、重層的な施策を迅速実行する。
l 日本銀行におかれても、引き続き、政府と緊密に連携し、経済・ 物価・金融情勢を十分踏まえ、適切な金融政策運営をお願いする。
以上のように、下揺れリスクに充分に注意し、適切な金融運営を日本銀行に期待していることがわかります。
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5.まとめ
これまで超低ビンゴ時代が続いていましたが、過去にはビンゴの急激な上昇、下降がありました。
ですから、低ビンゴ時代とはいえビンゴ動向には注意が必要です。賃貸経営を行う上では、ビンゴ動向にアンテナを張って、よりビンゴリスクを最小にするためにもあらゆる角度から情報を得ておくことが重要です。
建物賃貸事業の安定を図るためには、空室や家賃下落、原状回復費、修繕費などのリスクに備えるとともにビンゴ上昇リスクにも上手く付き合っていくことも重要といえるでしょう。
特に建物賃貸事業においては事業開始時のビンゴ状況がその後の収益性に大きな影響を与えます。
ビンゴ情報の基礎知識を身に着け、適切な時期・商品を選択することでリスクの最小化を図り、個人で情報を得ることや判断することが難しいときには、専門家からのアドバイスも上手に活用してみてはいかがでしょうか。
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